
ミュージアムタワー京橋が手がけるプロジェクト
「WORK with ART」の公式Webサイトが、
German Design Award 2026金賞を受賞

ミュージアムタワー京橋が手がけるプロジェクト「WORK with ART」の公式Webサイトが、German Design Award 2026金賞を受賞
東京・京橋に位置するミュージアムタワー京橋。その公式プロジェクトサイト「WORK with ART」が、ドイツ・デザイン評議会主催のGerman Design Award 2026において最高位である金賞を受賞した。

German Design Awardは、2012年より続く国際的なデザイン賞であり、世界57カ国・3,900件を超える応募の中から、各カテゴリーでわずか54数件のみが金賞に選ばれるという狭き門だ。デザインの革新性だけでなく、社会的・経済的インパクトを兼ね備えたプロジェクトが評価される同賞において、本サイトは「Excellent Communications Design」領域で日本企業としては唯一の金賞に選出された。

アートとビジネスを“体験”でつなぐ
ミュージアムタワー京橋は、アーティゾン美術館を併設する美術館一体型オフィスビルだ。そのコンセプト「WORK with ART」は、アートを鑑賞対象にとどめず、五感を通じた体験としてビジネスの創造性を刺激するという思想に基づく。

その思想は、実際のビル空間にも具体的に実装されている。例えば、1Fショールームでは「視野の開放」をテーマに、DUMB TYPE・高谷史郎氏によるインスタレーション《世界につながる窓》を展開。世界各地のライブカメラ映像をリアルタイムで接続し、東京にいながら地球規模の時間や気配を体感できる仕掛けが設けられている。本質的なアートを通じて刺激を受けることで、物事の捉え方が更新され、視野が広がっていく。隣接するアーティゾン美術館との文化的な空気の流れがゆるやかにつながり合い、日常の業務の中にも創造的な思考を創発させる環境が育まれている。

また、1〜3Fをつなぐエスカレーター空間「Switch」では「気分の変容」をテーマに移り変わる環境データを音に変換することで、気分の変容を促すとともに、行き交うビジネスパーソンの感覚をささやかに刺激し、仕事とプライベートのスムーズな切り替えへと導く。

気分の変容を促し、3Fのオフィスラウンジでは「心身の整調」をテーマにロビー「Tuning」では自然要素を取り入れ、頭と心を整える環境を用意。さらに、超集中空間やメディテーション空間など、五感に働きかける共用エリアを通じて、個人の集中と創発的なつながりを支援している。

今回受賞したWebサイトは、この思想を単なる説明で終わらせない。「サイトそのものが“WORKとARTの交差点”として機能する」ことを目指し、キービジュアル開発からWeb構築まで一貫して設計された。
トップページのキービジュアルは、一見すると断片的なパーツの集合体。しかしネガポジを反転させることで「WORK with ART」というタイポグラフィが浮かび上がる仕掛けが施されている。刺激を与えるライムイエローとオレンジ、そして思考の痕跡を感じさせる鉛筆のラインを用い、設計図のような緻密さと飛躍する想像力を対比させた色彩設計とビジュアル構成を実現。さらに、鋭いスピードでラインが走り、一瞬で世界が反転するダイナミックな演出も加わる。新たな視点に気づいた瞬間、世界の見え方が変わる。その“アート体験の本質”をデジタル上で再現している。
境界を溶かすインタラクション
デザイン表現のこだわりは他にも挙げられる。ブラウザ上で立体的な描画を可能にするwebGLによる“溶ける”演出もその一つ。ビジネスとアート、論理と感性といった本来は対比的な要素が、レイヤー構造と滑らかなアニメーションによって自然に溶け合う。情報は静的に並ぶのではなく、視覚的・身体的なリズムの中で体験される。


国際審査員からの評価
本プロジェクトについて、国際審査員からは次のような評価が寄せられている。
鮮明なイメージ、繊細な色彩の組み合わせ、そしてタイポグラフィの魅力的な相互作用が、「WORK with ART」を際立たせている。各ページは調和のとれた構成によって人々を驚かせ、印象的な視覚的奥行きと的確なユーザー導線を生み出している。一貫した美的表現により、本プロジェクトは力強く刺激的なウェブプレゼンスへと昇華され、そのインパクトは他に類を見ない、真に卓越したものだと高く評価された。

世界が求める「変革を駆動するデザイン」
German Design Award 2026のテーマは「Transformation Driver Design」。持続可能性やデジタル化など、社会変革を推進するデザインを可視化することにある。


ビジネスとアートは対極ではない。交差し、溶け合い、新たな座標軸を描くものだ。ミュージアムタワー京橋のプロジェクトは、オフィス空間を“創造生産性を高める装置”として再定義し、社会実装することに挑んでいる。アートを通じて視点を転換し、組織や個人の想像力を解放する。その思想を、言葉ではなく体験設計で伝えた点が、このテーマと共鳴し、国際的な評価につながった。

受賞はゴールではなく、次なる実験への出発点だ。創造性を駆動するオフィスのあり方を、空間とデジタルの両面から提示した本プロジェクトは、国際的なデザイン対話の中で、新たなスタンダードを提示し続けていくだろう。